作業道見学会を開催しました

2024年 3月7日(木)・3月10日(日)

2日間で4回 1回2時間弱の見学会に、村民42名+村外1名+犬2頭の方が参加いただきました!村民の方には、事前に回覧板でご案内し、インスタグラムでも告知。


今回は、協力隊のクスヤ南の作業道と協力隊OBの作業道の2か所をご案内しその後、村内で作業道を開設している現場や取り組みのこと、わたしたちがつくった「森の理念」についてお話ししました。これまで、主に作業道は、開設した集落の関係者や村議会議員の方々、来村された方へ向けてはご案内してきましたが、一般、村民さんへ向けて、ようやく開催することができました。

そもそも作業道って何?

1)基本的には、間伐した原木を2トントラックで、安全に木を利用するために運び出してくる道、長期的に森林を管理するためにつくります。

2)森の手入れをする時だけではなく、人をご案内したり、子供たちと森に入って遊び学ぶ森林環境教育の現場として使ったり、人が安心して入り活用もできます。


作業道開設 クスヤ南

池峰地区 クスヤ 17ヘクタールの現場で、最初にこの山のどこに道をつくるかを決める、踏査で山に入ったのが2019年。協力隊谷内さんが山林所有者への提案書を作成し、村と山林所有者が管理協定を結び、協力隊の人材育成の現場としてスタートしました。

今年度は主に人材育成研修で、吉野の作業道開設のプロである、岡橋一嘉さんから指導を受けながら、協力隊谷内さん、長柄さん、金原さんが 作業道182m を開設しました。作業道の開設するときに難しいとされるヘアピン。この現場では、ダブルの連続ヘアピンを経験することができました。もう1つ入口が北側にあり、そちらはクスヤ北。クスヤは谷内さんがこの3月に協力隊を卒業した後、4月から作業道を開設、間伐して手入れをしていくメインの現場になります。予定では3年後に、このクスヤ南とクスヤ北の作業道がつながります!

作業道開設 オガタニ

池峰地区 オガタニ 19ヘクタールの現場です。昨年281.3mと村の独自の要綱である弱度間伐事業を使って0.3ha、1割の間伐をしました。今年度さらに403.7m開設し、総延長685mまできました。協力隊OBの安井さんが作業道を開設し、間伐手入れをしている現場です。ここも2019年から踏査に入り、山林所有者さんに向けて提案書を作成し、村と山林所有者が管理協定を結び、2022年から作業道開設が始まりました。


今回、見学会を開催した目的は

●作業道がつくられている目的、森づくりとの関係を理解していただく

●協力隊が自立に向けどのような活動をしているか知っていただく

●実際に森を歩いて森のもつ機能や価値を感じ 理解を深めていただく

●下北山の森に関わる 森の理念を伝え、どのように思われるか


参加者も多様で、1歳9ヶ月の男の子から80代の方まで森の中を元気に歩いておりました。9ヶ月の赤ちゃんはおぶわれて、3歳の同級生2人は元気に走り出す。70代、80代の参加された方からは昔の山の話しもお聞きできてこちらも勉強になりました。言葉だけでは分かりにくい、2トントラックで実際に原木をのせて走るのを見たり、作業道を歩いて、道をつくるときに木を伐ることでできる「伐開幅(ばっかいはば)」を空を見上げて見たり。

森の中は、本当に情報量がかなり多いです。作業道についても多くのことを語りたくなります。林業について話す時、「言葉が難しい」というのもあります。噛み砕きすぎてもわからなくなりそうで、そのバランスが難しいところです。

ただ、「一緒に森を歩く」という時間だけでも、みなさん本当に楽しそうにしておられました。かつては村全体で林業に関わっていた活気のある時代もあったので、その頃に山に携わっていたご年配の方々も参加してくださり、一緒に歩くことができたのも嬉しいことでした。

1月に村の小学生たちとつくった歩道を、今回参加された方々が嬉しそうに歩いている姿。森と人との距離がぐんと、近づいた瞬間でもありました。

今回、最後にアンケートをとらせていただき、みなさんの今のお気持ちや、やってみたいことの声も聞けることができました。その声を活かし、今後も森に入る機会、学ぶ機会をつくっていきたいと思います。ご参加された方、ありがとうございました。

今後も応援よろしくお願いします!


奈良下北山村・森林林業地域おこし協力隊

奈良県下北山村・森林林業 地域おこし協力隊の活動を紹介。自伐型林業、作業道開設を軸に森づくりをしています。