混交林誘導整備事業 2022
奈良県の新しい「混交林誘導整備事業」。この事業は、杉、ヒノキの人工林で、育ちがあまりよくないエリアに、植えた苗に十分な光が届き、育つようパッチ状にギャップ ※1をつくり(今回の場合、約100m2)広葉樹を植えて樹種転換するもの。
今年は、寺垣内地区で2.22ha実施。そのうち谷内さんが自立に向けて、0.25haを自主事業として挑戦しました。この事業を初めて経験する長柄さんは、事業計画を立てた石丸さんから事業内容、自然配植※2のことを、安井さんからギャップを作ること、間伐作業を現場OJTで学びました。植栽については、植物の成長を考え今年度も自然配植の方法を取り入れました。獣害対策の防鹿柵の張り方などを細かい点を含め全員で確認しながら現場に入りました。
昨年度経験したことをふまえて県に要望した「林内にすでに生えている前生稚樹を活かすこと」が今年度から可能になりました。石丸さんが事前にどのような前生稚樹があるのか何度も山に入り調査しました。すでにあった前生稚樹は、ウバメガシ、ネジキ、ミツバツツジ、ウラジロガシなど。これらの稚樹を守るように防鹿柵をし、ギャップの位置を決めた現場もあります。稚樹だけでは足りない分は、ウバメガシ、ツクバネガシ、ウラジロガシを購入し植栽しました。ギャップ以外のエリアについては2割の間伐をしました。今後は、見回り、観察を続け、来年度以降の施業にも活かしていきます。
※1 ギャップ ここでいうギャップは、新たな苗を植えるため、杉・ヒノキの林地の1区画に小さな皆伐地をつくったときの空間のことを指します。
※2自然配植 山には環境条件(地形、地質、風、光、水など)によって生じた様々な立地に、それぞれ適した樹種が生育しています。この適地適木の考え方を活かした植栽方法。3本一組みで寄せて植えることで、生存率を上げ、早く上に伸びようとする性質を発揮させる「巣植え」の方法などこれまでの林業の植栽とは全く異なります。
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